チラシ発注者も知っておきたい!チラシデザインのコツ〈構成編〉







チラシは見た目のデザインが重要だと思っている方が多いと思いますが、本当にそうでしょうか。

確かにチラシデザインにおいて、見た目は重要な要素だとは思いますが、掲載する内容やコンテンツが弱いとユーザーに伝わらないチラシになってしまいます。

今回はチラシデザインのコツ〈構成編〉として、チラシをデザインする前段階(ディレクション段階)で重要になるポイントについてまとめてみました。
特に発注担当者さんがデザイナーとやりとりする際に、意識しておくと役に立つ内容だと思います。

チラシデザインは「行動のデザイン」

チラシデザインのコツイメージ01

チラシはWEBサイトとは違って「情報を伝える事」に特化した媒体なので、基本的にユーザーとの関係性が一方通行になりがちです。

WEBやアプリだと、メール・フォーム・購入ボタンといったアクションが手軽にその場で行えるのに対して、チラシだと店舗まで足を運んでもらう、電話してもらうといった、時間と労力をユーザーに依存する事が前提となる為、いかにユーザーが自発的に行動・購買したいと思うような内容で構成できるか?がチラシデザインの重要なポイントとなります。

最終的にユーザーに行動を起こさせてナンボの媒体ですから、チラシデザインは「行動のデザイン」と呼べるかもしれませんね。

チラシ制作の5つのポイント

チラシデザインのコツイメージ02

私がチラシデザインをする前の構成段階、いわゆるディレクション段階において大切にしている5つのポイントがあります。

  1. 5W1H
  2. 掲載情報を絞る
  3. わかりやすい言葉と表現
  4. 伝えたい事ではなく知りたい事が大切
  5. 次の行動を促す工夫

デザイナーであれば誰しも意識している事ばかりですが、あまりこういった事を意識せずにデザイナーと打合せしている発注担当者さんが多いように思うんですね。

見た目のデザインも大切ですが、上記5つのポイントを踏まえて情報のデザインをする事がチラシ制作にとって重要なので、デザイナーに頼るばかりではなく、発注担当者さんも同じ目線で見て考えることが、良いチラシを作る近道だと考えます。

5W1H

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今更の話なのですが、チラシデザインの基礎中の基礎となるのが「5W1H」ですね。

  • When = いつ?
  • Where = どこで?
  • Who = 誰が?
  • What = 何を?
  • Why = 何故?
  • How = どのように?

いつ、どこで、誰が、何を、何故、どうやって」という情報伝達のポイントをまとめたのが5W1Hです。
どんな広告媒体でもこの5W1Hは重要なのですが、実際にユーザーが店舗まで足を運ぶのが前提になる事が多いチラシにおいて、何よりも最優先して考えるべき情報です。

セール期間や店舗の場所、連絡先がわからないと、どれだけお得な情報を掲載しても、チラシが紙屑になってしまいます。
チラシを見ている側からしたら、掲載していて当たり前の情報でも、作る側になると見落としていることも結構あるので、制作段階に入る前に5W1Hに当てはめて掲載情報を見直してみてください。

掲載情報を絞る

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チラシを折り込む側とすれば、できる限り多くの情報を掲載したいと思うのが普通です。同じ金額だったら一つでも情報を載せた方が得だと思うのが人間の心理だと思うので仕方ありません。

しかし、それが落とし穴で、掲載情報が増えれば増えるだけ、ひとつひとつの情報のインパクトや密度が弱くなりユーザーに伝わりづらいチラシになってしまいます。ワンデザインワンメッセージまでとはいかなくても、伝える情報を限りなく絞ることで、インパクトのある伝わりやすいチラシを作ることができます。

ちなみに食品スーパーや家電量販店のような流通系チラシは、各店舗の取扱い商材が多いので、かなりボリュームのあるチラシになっています。掲載情報が増えれば各商品の枠を小さくしたり紙面を大きくして対応しますが、ユーザーの視点に立って考えると「商品を探しにくいチラシ」になっている気がします。
掲載したい情報が多い中でも、できる限り「情報を絞る」事で見やすいチラシづくりが可能だと思っていますが、企業側としても年契商品や売り場づくりなど、色々な事情もあり難しいみたいです…。

わかりやすい言葉と表現

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こないだ国民年金事務所に行った時に読んだ書類に「管掌」という単語が記載してありました。ちなみに「かんしょう」と読みます。

意味は

かんしょう【管掌】

役目の権限によってつかさどること。 「人事業務を-する」 「政府-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

だそうですが…聞いた事ないし。

年金事務所の方や、知識のある方は知っている単語なのかもしれませんが、普通に生活している人が「管掌」という言葉を使うことは、まず無いと思われます。

もしも普段ユーザーが使わない単語ばかりを集めて、チラシをデザインしたらどうなるでしょうか。

全く情報が伝わらないチラシになってしまいますよね。せっかく5W1Hをまとめて掲載情報を絞っても、それを難解な言葉で説明しては全く意味がありません。

チラシデザインにおいては、わかりやすい言葉と表現で説明する事を心がけてください。
例えば、説明が必要な専門用語を掲載すると、解説文が必要になり掲載情報が無駄に増えてしまいます。それならば最初からユーザーが直感的に理解しやすそうな言葉を使った方が、伝わりやすいに決まっています。

特にキャッチコピーや商品紹介は、端的でわかりやすい表現を意識したいですね。

お年寄りや子供が理解できる言葉を基準にしても、極端すぎるとは思いません。
最初はそれぐらい簡単すぎる単語を基準に考えて、企業や商品の質・価値と照らし合わせて、徐々に調整しながら言葉を選ぶと良いと思います。

伝えたい事ではなく知りたい事が大切

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これまで色々なクライアントと何度も打ち合わせをして思う事ですが、チラシ発注者さんは「自分達が伝えたい情報」を優先的に掲載しようという考えが強い気がします。

クライアントの会社規模が小さいほど、特にその傾向は強いように感じていて、ユーザーがチラシに掲載した情報全てに目を通す事を前提に考えているせいか「これは言っておきたい」「この画像は大きくしたい」「これを紙面上部に持っていきたい」というような自分基準視点でチラシ原稿を作ったり修正をされている方が多いと思います。

大切なのは「自分達が伝えたい情報」ではなく「ユーザーが知りたい情報」が掲載されているかどうかです。

「これは言っておきたい」というクライアントの要望があったとしても、それが果たしてユーザーが知りたい情報だとは限らないわけで、どれだけ画像を大きくしても、そもそも興味が湧かない商品であれば見ることもありません。

チラシデザインの打ち合わせは、発注者とデザイナーまたはディレクターがユーザー不在の状況で行います。そのため、どうしても発注者であるクライアントの意見が優先されがちですが、チラシはあくまでユーザーが見る事を前提としているので、クライアントが伝えたい事ではなく、ユーザーが知りたい事を基準に考えなければなりません。

果たして本当にユーザーにとって価値のある情報か?ということを基準にコンテンツ作りをする事で、情報量を絞りつつも訴求力の強いチラシを作ることができるはずです。

次の行動を促す工夫

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最後にチラシデザインの構成段階において最も重要なポイントが「次の行動を促す工夫」を考える事です。

チラシデザインを依頼してくるクライアントの話を聞いていると、Amazonや楽天などのECサイトを競合他社として視野に入れてない事がありますが、昨今のユーザーはネット上で価格比較をしてから購買を決定する事が多いと言われているため、ECサイトを競合から外すのは良い考えとは言えません。

チラシで低価格商品やお得な情報を掲載していも、ネット上の価格と比較されると負ける事が多く、逆にECサイトでの購買行動の判断材料としてチラシが使われる事も多々あるようなので、Amazonや楽天などのECサイトも競合他社として視野に入れ、ユーザーの購買行動をチラシに向ける工夫が必要になってきます。

よくあるチラシ持参特典や割引券も、次の行動を促す工夫の一つです。
それ以外に現地説明会や無料相談会、お楽しみ抽選会などの来店すると得られるメリットや、早期予約特典や早期契約特典などの期間限定の価値も、ユーザーの行動を喚起する工夫になります。

価格や商品情報をチラシに掲載する事も大切ですが、WEB上のECサイトでは得る事ができないが、実店舗に足を運ぶ事で得られるベネフィットを掲載できれば、チラシの効果を最大限に活かせると思います。

少し違う話かもしれませんが、地元の神社で運営委員になっている父から聞いた話を紹介します。

神社で開催する祭りの来場者数が減少傾向にあるので、どうすれば増えるのかという話し合いをした事があったそうで、小学生以下の子供がいる家庭に「塗り絵」を配り、持参者にはお菓子詰め合わせをプレゼントするという、まぁありそうな企画を実施したそうです。

ところが塗り絵効果は絶大で、たくさんの親子が塗り絵持参で来てくれて、屋台の売り上げも大幅アップしたそうです。
子供が動くと親も動き、子供が欲しがると親が買う」という事を意識したわけでもなくて、子供が来てくれると賑やかだよねというぐらいの発想だったようです。父達は知らずのうちに次の行動を促す施策をしていたという事ですね。

まとめ

チラシデザインのコツ〈構成編〉いかがでしたでしょうか。
チラシデザインと聞くと、どうしても見た目のクオリティを重視しがちですが、デザインワークに入る前段階、つまりディレクション段階で決定しておくべき事が多々あり、それは売上や販促効果に直結するほど重要な要素でもあります。

発注者側としてはデザイナーやディレクターに任せたいという気持ちもあるかもしれませんが、デザイン的視点を持ち、一番ユーザーに近い立場としてチラシ製作に携わる事で、より効果のあるチラシデザインを生み出す事がきっと出来るはずです。
世の発注担当者さん、一緒に頑張りましょう!

「チラシ発注者も知っておきたい!チラシデザインのコツ〈構成編〉」でした。