何らかの理由でドメインを変更する事になった場合、SEO対策・ユーザビリティ的に注意すべき事があります。
以前、会社のホームページを更新する際に、諸事情によりドメインを変更してサイト移転しました。ドメインを変更して放置していると、SEO的に問題があると聞いていたので、二つの対応策をとりました。
ちなみに今回は、ワンページ(ワンペラ)のHTMLサイトから、約30ページのWordPressサイトに移転した事を前提としております。
目次
301リダイレクト(恒久的なリダイレクト)を使用する
ドメインが変わると当然URLも変わるので、検索結果やGoogleにインデックスされている情報にも影響が出てしまいます。その為、サイト移転した事をユーザーに知らせると同時に、検索エンジンにも知らせる必要があります。
そこで重要になるのが「301リダイレクト(恒久的なリダイレクト)」です。
301リダイレクトとは?
301リダイレクトは、URLが恒久的に変更された場合に用いられる転送処理のステータスコードです。 転送のステータスコードとして他に302リダイレクトがありますが、302リダイレクトは「一時的な転送」を表すものであり、その意味が異なります。
引用:301リダイレクトとは
つまりは、完全にURLを変更する場合に使用する転送コードという事ですね。今回のようなドメイン変更は「恒久的」にあたるので、301リダイレクトを使用しました。
旧サイトは残しておく
Googleの検索結果には移転先サイトの情報がすぐには反映されず、旧サイトの情報がしばらく残る事になります。
その為。サイト移転が完了したからといって旧サイトを削除してしまうと、せっかく検索結果やダイレクトで旧サイトに訪問したユーザーがいても、旧サイトも移転先のサイトも見ることができなくなります。
旧サイトを残してリダイレクトを設定する事は、SEO対策にもなり、ユーザビリティにも配慮する事になります。
旧サイトのHTMLファイルは index.html のみだったので、移転先のトップページへリダイレクトさせるだけで設定は完了しました。
.htaccess に301リダイレクトを記述
.htaccess ファイルに数行のコードを記述する事で、301リダイレクトを設定することが出来ます。
.htaccess とは?
.htaccessとは、 Webサーバーをディレクトリ単位で制御するためのファイルで、 リダイレクトやBASIC認証、404エラーページの作成を行えます。 Apache (アパッチ) などのソフトウェアが使用されている環境で、 使用が可能です。
引用:.htaccessとは
サーバー側の動きを制御するファイルだそうで、今回は旧サイトの index.html と同じ階層にアップロードしました。
.htaccess にコードを記述
最初にURLの正規化を行う必要があります。このURLの正規化を行なっていないと、「www」が付いているURLと、「www」が付いてないURLの二種類が存在する事になるので、SEO対策的にもよくありません。
URLの正規化
1 2 3 4 5 6 7 8 | RewriteEngine on RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(new-url.com)(:80)? [NC] RewriteRule ^(.*) http://www.new-url.com/$1 [R=301,L] RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index.html RewriteRule ^(.*)index.html$ http://www.new-url.com/$1 [R=301,L] |
上記は「wwwあり」で設定する場合で、new-url.com の部分に移転先サイトのURLが入ります。
301リダイレクトコード
1 2 | RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www.old-url.com)(:80)? [NC] RewriteRule ^(.*) http://www.new-url.com/$1 [R=301,L] |
次に301リダイレクト用のコードを追加します。
old-url.com に旧サイトのURLを、new-url.com に移転先サイトのURLが入ります。
「.htaccess」は操作を誤るとサイトが表示されなくなる事もありますので、くれぐれも注意してください。
GoogleにXMLサイトマップを送信
XMLサイトマップの送信は、サイト移転時だけでなく、通常のWEBサイト運営時にも必要です。ここで言うXMLサイトマップはサイトマップページとは別モノです。
XMLサイトマップとは?
XMLサイトマップ(sitemap.xml)とは、ウェブサイト内のURLを記述するxml形式のファイルを指します。検索エンジンがサイト内のURLを集める手掛かりとなるため、XMLサイトマップの設置はクローラビリティの改善に繋がります。
引用:XMLサイトマップとは
つまりは、Googleの検索エンジンに対して、自分のホームページの構造を知らせるファイルのことで、サイトの情報を検索結果に表示させる為にも必須のファイルになります。
更新に伴いWordPressを導入したので、「All in One SEO Pack」を使ってXMLサイトマップを作成し、「Google Search Console」でサイトマップを送信するだけで作業は完了しました。Googleのクローラーがサイトを訪問するまで検索結果には反映されないようです。
All in One SEO Pack
Google Search Console
旧サイトはできる限り長期間残す
301リダイレクトを設定した旧サイトは、できる限り長期間残すようGoogleは推奨しているようです。旧サイトに少なからずトラフィックがある間は、ユーザビリティの損失につながるので、サイトを残すべきという事でしょうね。
Googleのジョンミューラーは、「301リダイレクトは少なくとも1年はそのままにしておくのをおすすめする」と語っていたそうなので、それに習って1年をめどに旧サイトを残す事にしました。
ドメイン変更はリスクが大きい
今回の更新では、301リダイレクトとXMLサイトマップを利用する事で、無事Googleにもインデックスされました。
同名の会社が数社ある中でも、上位にヒットしているのでサイト移転は無事に終わったと感じています。
これがクライアントからの案件だったら責任重大だと感じると共に、ドメイン変更・URL変更のリスクについて色々勉強できる良い機会になったので、今後の案件に活かしていきたいと思います。
301リダイレクトでSEO対策!ドメイン変更する際に注意するべき事でした