BootCampでeGPU!MacBookPro 16インチでゲームをしたい!

BootCampでeGPU!Macbookpro16インチでゲームがしたい






「MacBookPro 16インチとeGPUでSteamのゲームをしたい!」という思いつきから始まり、長い試行錯誤を乗り越えて、なんとかeGPUでゲームができる環境を作ることができました。

MacBookPro 16インチでは、BootCampでインストールしたWindows10にeGPUを接続しても、リソース不足エラーのため外部GPUとして認識されませんでしたが、最終的に「EFIパーテーションから起動」することでeGPUを認識させることができたので、その方法を紹介していきたいと思います。


BootCampでeGPU!EFIパーテーションから起動する方法

BootCampでeGPU!EFIパーテーションから起動する方法

2020年4月18日
今回紹介する記事内容は、私が使用している環境で試した結果ですので、Macの機種やeGPUなどによって結果が異なるかもしれませんので、あくまでMacBookPro16インチでeGPUを認識させる手段の一つとして認識ください。
BoobCamp環境でのeGPU接続に関してはApple公式でサポートされておりませんので、もし試される方は自己責任でお願い致します。

参考にしたサイト

egpu.ioという海外サイトは、BootCamp環境でのeGPUについての記事が豊富にあり、とても参考になりました。
特に、BOOT CAMP EGPUセットアップガイド– MACでのWINDOWSゲームという記事は、BootCamp環境でeGPUを導入するための基礎知識が書かれているので、自分が使用している機種を問わず役に立つと思います。

https://egpu.io/

https://egpu.io/

海外サイトですが、Chromeの自動翻訳機能があれば問題なく読めるので、まずは一読することをおすすめいたします。

使用した環境と おおまかな手順

macbookpro16

最初に、今回使用した環境とおおまかな手順について記載しておきます。

使用環境

使用機種MacBookPro 16インチ Radeon Pro 5300Mモデル
eGPUAKiTiO Node 400W
グラフィックカードMSI RadeonRX570 ARMOR 8G
Windows OSWindows10 ver1903

使用環境の中で重要なのが、Windowsのバージョンです。

2020年5月現在のWindows10の最新バージョンは 1909 ですが、バージョン1909をインストールすると「リソース不足」のエラーが出て、何をやってもeGPUが認識されませんでした。

egpu.ioに「Windows10 1903(Build 18362.30)はリソース不足を回避できるバージョン」という記事があったので、バージョン1903をインストールしたところ、無事にeGPUを認識させることが出来たので、BootCampでeGPUを使用する場合は、Windows10の最新バージョンをインストールせず、Windows10 1903(Build 18362.30)をインストールしましょう。

ちなみに、BootCampでeGPUを認識させるまでに、Windows10を3回インストールし直しました…。

おおまかな手順

eGPUを認識させるまでに行った手順です。

  1. Windows10 1903(Build 18362.30)をインストール
  2. Windows自動更新を無効化
  3. DDUでグラフィックドライバーを削除
  4. グラフィックドライバーをインストール
  5. EFIブートで起動
  6. eGPUを接続
  7. Thunderbolt3端子を抜き差しする

おおまかな手順としてはこんな感じですが、dGPU(内臓GPU)を搭載してないモデル、例えば Mac mini や MacBookPro 13インチ は比較的簡単にeGPUを認識できるようなので、その場合は必要ない手順があるかもしれません。

Windows10 1903 をインストール

先にも書きましたが、インストールするWindowsのバージョンが重要です。

2020年5月現在、マイクロソフトの公式ページから最新のバージョン1909しかダウンロードできないため「Rufus (ルーファス)」というソフトを使って、過去バージョンのWindows10 1903(Build 18362.30)をダウンロードします。

rufus

Rufus」を使ってWindowsの過去バージョンをダウンロードする方法については、「パソブル」さんの Windows10 公開が終了した過去バージョンをダウンロードする という記事が非常にわかりやすいので参考にしてください。


とげおネット

とげおネット

Rufus」からダウンロードしたISOイメージは、USBや外付けSSDに保存しておき、再起動してMacからBootCampアシスタントを起動します。

bootcampアシスタント

先ほどUSBなどに保存したISOイメージをBootCampアシスタントを使ってインストール。

画面の指示に従うだけで、Windows10のインストールが完了するはずです。

Windows自動更新を無効化

せっかく過去バージョンのWindows10をインストールしても、自動更新で最新バージョンにアップグレードされたら困るので、Windowsの自動更新を無効化しておきます。

私はWindowsについて全く詳しく無いので…「株式会社とげおネット」さんの Windows Update自動更新を無効化・停止して手動更新にする方法【Pro版/Home版】Windows10 Homeでアップデートの自動更新を完全に停止/無効化し手動更新にする方法 という記事を参考にさせていただきました。


パソブル

パソブル-Pasoble

自動更新を無効にするには「Windows Update Blocker」か「Windows PowerShell」を使った方法があって、「Windows Update Blocker」を使う方が圧倒的に簡単なので、そちらをオススメします。

念のため両方とも試してみましたが、どちらでも問題なく自動更新を無効化することができました。

DDUでグラフィックドライバーを削除

次に、元々インストールされているグラフィックドライバーを削除します。

グラフィックドライバーは手動で削除するわけではなく「DDU(Display Driver Uninstaller)」というソフトを使って削除します。

DDUをダウンロードする

DDU

https://www.wagnardsoft.com/

上記サイトから「DDU」をダウンロードしますが、ちょっとわかりくいので、コチラから直接ダウンロードページへ飛んだ方がいいかも。

ページをスクロールすると「公式ダウンロードはこちら」というボタンがあるので、クリックするとダウンロードが始まります。


DDUダウンロードはこちら

DDUを使う

ダウンロードしたファイルを解凍して、DDUを起動します。

DDUは特に難しい設定をしなくても使えるソフトですが、ドライバーを削除する前に一点だけ設定をしておきます。

ウインドウ左上の「オプション」を選択すると設定画面が開くので、一番下部の項目「Windowsがデバイスのドライバーを検索したとき、Windows updateからドライバーをダウンロードしないようにする」にチェックを入れておきます。

DDU設定

デバイスの選択 > GPU > AMD」の順番で選択し、画面左上の「削除して再起動」を選び、グラフィックドライバーを削除します。

DDUドライバー削除

egpu.ioには「全てのグラフィックドライバーを削除」と記載があったので、一応 NDIVIA と INTEL のドライバーも削除しました。

グラフィックドライバーをインストール

DDUで既存のグラフィックドライバーを削除したら、新しくグラフィックドライバーをインストールし直します。

通常はAMDのサイトからドライバーをダウンロードしますが、BootCamp環境ということを考慮して bootcampdrivers.com からドライバーをダウンロードします。

https://www.bootcampdrivers.com/

bootcampdrivers.com

メニューの「ダウンロード」から任意のバージョンをダウンロードします。
いくつかバージョンがありますが、egpu.io の記事に準じて「アドレナリン2010年1月 Red Gameエディション」をダウンロードしました。

念のため「アドレナリン2010年4月 Red Gameエディション」も試してみたところ、こちらもeGPUを認識できたので、おそらく「Red Gameエディション」なら問題ないかと思います。

bootcampdrivers.com-radeon

ダウンロードしたフォルダにある「Setup」アイコンをダブルクリックすると、Radeon Software インストーラーが起動するので、インストールボタンをクリックしてグラフィックドライバーをインストール。

グラフィックドライバーインストール

インストールが完了したら、Windowsアイコンから「Radeon Software」がちゃんとインストールされているかを確認しておいてくだい。

EFIブートで起動

冒頭にも書いていますが、MacBookPro 16インチは、BootCampでインストールしたWindows10にeGPUを接続しても、リソース不足のエラーが表示され外部GPUとして認識されません。
解決策として「Clover Configurator」というアプリを使って起動用のEFIパーテーションを作成し、そちらからWindowsを起動させeGPUを認識させる方法があるのですが、ちょっと長くなるので別記事でまとめました。

BootCampでeGPU!EFIパーテーションから起動する方法

BootCampでeGPU!EFIパーテーションから起動する方法

2020年4月18日

egpu.io や他サイトさんでUSBなどの外部メディアにEFIブート用のファイルを設置する方法が紹介されていますが、感覚的に端子を複数接続してWindowsを起動するとeGPUを認識しない確率が高い気がするので、個人的には「Clover Configurator」はUSBなどの外部メディアを必要としない方法がオススメです。

eGPUを接続

EFIパーテーションがマウントされると黒バックに白いテキストが並んだ画面になります。
egpu.io の記事によると、このタイミングでThunderbolt3端子を接続すると良いそうです。

EFi-boot

ここで重要なのは、MacBookPro 16インチに4つある差し込み口のうち向かって左側一番奥にThunderbolt3端子を接続すること。一応、右側に端子を差しても認識はされるのですが、後の作業のため向かって左側一番奥に端子を差してください。
eGPUが接続されると、搭載されているグラボの名称が画面に表示されるので任意のキーを押します。

この段階までで問題がなければ、しばらくWindowsのロゴマークが表示された後、Windowsが起動するはずです。

実際、EFIブートが完了するまで数秒しかなく、そのタイミングで端子を挿すのも面倒なのでeGPUを接続したままEFIブートを試みたところ、特に問題なくWindowsが起動したのですが、念のためとして、最初のEFIブート時は黒い画面になってからThunderbolt3端子を接続することをおすすめします。
EFIブートの段階で充電ケーブルやらUSBやらbluetooth機器やらを接続していると、Windowsは起動してもeGPUの認識が上手くいかない事が多い気がするので、できる限り接続する端子を少なくしておいた方が良いかもしれません。最低でも左側一番奥と右側一番奥の2つの端子は空けておく必要があります。

Thunderbolt3端子を抜き差しする

最後はThunderbolt3端子を抜き差しします。
どういう事?と思われるかもしれませんが、これが最後にして最高に重要なポイントなんです。

Thunderbolt3右側一番奥

EFIブートで無事にWindowsが起動したら、左側一番奥に差していたThunderbolt3端子を右側一番奥に差し替えます。

Thunderbolt3左側一番奥

「ピロリン・ポロリン」という通知音が鳴ると思うので、右側一番奥に差していたThunderbolt3端子を左側一番奥に差し替えます。
そうすると…

eGPU認識

外部GPUが認識されました!!

長かった….でも、これでSteamでダウンロードしたゲームを心ゆくまで楽しむことができます!

今回の記事で紹介している方法はMacBookPro 16インチでしか動作確認をしておりません。現段階ではそれに伴う問題など発生しておりませんが、もし同じ方法を他機種や同機種で試される場合は自己責任でお願い致します。

まとめ

色々試してみて、Apple公式でサポートされていなくてもBootCamp環境でeGPUを使うことは可能ということ、内臓GPU搭載モデルは一手間かかるということがわかりました。

BootCamp環境でeGPUを使うにあたり、最大の問題である「エラー12」が発生するのはRADEON製のグラボのみで、NDIVIA製は問題なく動作するらしいので、BootCampのみでeGPUを使う場合はNDIVIA製のグラボを搭載するのもアリかもしれません。

そもそもMacでゲームをするのはコスパが悪すぎるので、Steamのゲームをしたい方は絶対にWindows搭載のゲーミングPCを買いましょう!

「BootCampでeGPU!MacBookPro 16インチでゲームをしたい!」でした。







BootCampでeGPU!Macbookpro16インチでゲームがしたい