カラーコーディネーターの資格って役に立つのか?立たないのか?
資格を取得する意味ってあるのか…。
よく「カラーコーディネーターの資格って仕事してて役に立つの?」と質問されるのですが、正直「ええ…まぁ」と曖昧に返事をすることも結構あります。
実際にデザイン関係の仕事をしている立場として、資格が役立つのか?役立たないのか?を改めて考えてみようと思います。
目次
先に結論
まず絶対的に言えるのが、カラーコーディネーターの「資格」そのものより、資格を取得するための勉強・経験で得た「知識」が仕事に役立っています。
もう少し説明すると「資格を持っているから特別にメリットがあるわけではないけども、日々の作業や打ち合わせにカラーコーディネーターの知識が非常に役立っている」という感じですね。
なので「カラーコーディネーターの勉強って役立つの?」という質問に対しては、間違いなく「Yes」と答えます。
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資格そのものに過度の期待は禁物
カラーコーディネーター検定試験は国家試験ではありません。カラーコーディネーター検定試験と比較されやすい色彩検定も同様、国家試験ではありません。
それほど難易度も高くないので、就職に直結するほどの資格ではないと思います。
実際、履歴書に「カラーコーディネーター3級」「色彩検定2級」と記載されていても、デザイン会社での採用時にはあまり重要視されないと思います。少なからず自分の勤めている会社では、持っている資格の一つとして見るだけで採用の決め手にはなりません。
採用には、学歴やスキル・人格・社交性・見た目…といった本人が持っている本質的な部分が会社の将来性とマッチするかが重要になるので、カラーコーディネーターは資格として持っていて損はないけども、採用の現場では決め手になりにくい資格だと思います。
もちろん資格取得者は優遇される企業もあるでしょうし、資格を持ってないと入社できない企業もあると思いますが、カラーコーディネーター資格そのものに対して過度の期待はしない方がいいですね。それよりもコミュニケーション能力やデザインスキルを高める努力をし、ポートフォリオを充実させた方が採用につながりやすい業界だと感じています。
「カラーコーディネーターの資格って役立つの?」という質問に対しては「どちらかと言えばNO」と答えます。
試験勉強をする価値とは
というわけで「カラーコーディネーター」という資格そのものには大きなメリットがあるとは言いにくいんですよね。そのあたりが「カラーコーディネーターの資格って仕事してて役に立つの?」という質問に対して「ええ…まぁ」と返事をする理由でもあるわけです。
ただ、資格取得するまでのプロセスだったり試験勉強で得た知識は仕事でも十分役立つので、媒体を問わずデザイナーを目指すならカラーコーディネーター検定試験の勉強をする価値は必ずあると断言できます。
私の日々の仕事で役立っているカラーコーディネートの知識に関して、基本的な事をいくつか紹介したいと思います。
色の関係がわかる「色相環」
虹色の順番に「赤→橙→黄→緑→青→藍→紫」に赤紫を加えて、リング状に並べたものを「色相環」と呼びます。色相環によって色同士の距離や関係性が明確になるので「色を抑えたいから隣同士の色で配色する」「目立たせたいから離れた色で配色しようか」といった配色計画において非常に役立ちます。むしろデザイン作業にとりかかる前の配色計画には無くてはならないツールと言えます。
「マンセル色相環」「イッテンの色相環」「PCCS色相環」などがあります。
紙媒体やWebをデザインする際に、季節感・価格やブランド感・ターゲットにあわせて全体的な色味を決めるのですが、色相環を理解していると全体的な色の統一だったり、対比色で目立たせるなど、色を使った表現がし易くなります。
自分で作業をする時にはもちろんですが、他人に色の指示をする際も色相環を理解しているとコミュニケーションがスムーズになります。
マンセル色相環
PCCS色相環
イッテンの色相環
互いに引き立たせる「補色」
捕食ではなく「補色」です。
補色とは、互いの色を最も目立たせる色の組み合わせのことで、色相環で対極に位置する色同士が「補色の関係」となります。「反対色」とも呼ばれることもあります。
「黄色と紫」「赤紫と緑」「青とオレンジ」「青緑と赤」の4つが代表的な補色として知られていますが、この4つの組み合わせを知っているだけでもデザインの幅が大きく広がります。
補色は、スーパーのチラシのような目立つデザインを制作する時によく使います。ちなみに2色印刷のチラシでもよく使われる組み合わせです。
トーンオントーンとドミナント・トーン
配色する際に基準となるパターンはいくつかあるのですが、中でも「トーンオントーン」と「ドミナント・トーン」の二つはよく使っています。
トーンオントーン
トーンオントーンは「色相を統一して明度差を大きくした配色」です。同じ又は近い色で濃い・薄いを表現していると言えばわかりやすいでしょうか。同系色で配色するのでイメージの統一感が出るのが特徴です。
ドミナント・トーン
ドミナント・トーンは「色相を変えて同一トーンでまとめた配色」です。簡単に言えば、色の明るさ・濃さは同じだけど違う色という感じです。イメージに変化をつけやすいし、組み合わせの幅も広いのでチラシなんかでよく使います。
トーンオントーンやドミナント・トーンは、落ち着いたデザインや統一感のあるデザインを作りたい時に使います。
「普段は特売チラシばっかり作ってるんで、なんか落ち着いた色使いって苦手なんだよなぁ…」という方は、トーンオントーンとドミナント・トーンを意識してデザインしてみてください。きっと苦手意識もなくなると思いますよ!
補色、トーンオントーン、ドミナント・トーンの3つの手法はWebや紙媒体の基本的なデザイン表現となるので、普段から意識して使い慣れていればデザイナーとしてのスキルもかなりアップすると思います。特に男性デザイナーがドミナント・トーンを意識して仕事を続けていると、女性っぽいデザインやキッズ向けのデザインに対して苦手意識が無くなると思います。
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知識があって得することはあっても損することは無い!
上記で説明した内容は、カラーコーディネーター検定試験範囲のほんの一部ですが、これらを知っているか知ってないかでは日常の業務に大きな違いが出てできます。
例えば「2色チラシの場合は補色の組み合わせで作れば目立つよね「イメージを統一したいからトーンオントーンでデザインしようか」といった理論的な考えでデザインできるので、誰かに説明する時にも明確な理由や説得力のある回答を伝えることができるようになります。
カラーコーディネーターの資格を持っていて「得したわ!」と感じることはあまり無いかもしれませんが、カラーコーディネートの知識があって「損をしたわ!」と思ったことはありません。むしろ、勉強して良かったと思うことが多いですね。
カラーコーディネーター検定試験を受験する気がなくても、デザイン関係の仕事に就きたいと思っている方にとって役に立つ知識なので、興味がある方は一度勉強してみてはいかがでしょうか。
私が発注しているデザイナーさんで、何度修正しても「トーンオントーンとドミナント・トーンの違いとか知らないだろうなぁ」と思わせるような配色をする方がいらっしゃいます。色に関する修正はなかなか上手く伝わらない上に手間がかかるので、イラつきすぎて最終的にはデータを引き上げる事もしばしば…。やはりデザイナーと名乗り金銭を要求するならば、最低限の配色ルールと表現は知っておくべきだと強く感じます。
まとめ
冒頭でも述べたように、基本的にカラーコーディネーターという資格は、就職や転職に直結しづらいので微妙な資格だと思いますが、カラーコーディネーター検定試験の勉強をする過程で得た知識はとても役に立っています。
色々書きましたが「結局カラーコーディネーターの資格は役に立つ」というのが私の結論です。
何かしら色彩に関係する職業の方は取得しておいて損はしないと思いますよ。
まだカラーコーディネーターの資格を持ってないという方は、ぜひ勉強してみてください。
きっと日々の仕事に役立つと思いますし、何より服選びが上手になると思います(笑)
「結局カラーコーディネーターの資格って役に立つのか?立たないのか?」でした。
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