WEBサイトでも、CSSで文字詰め・トラッキングが出来る事を知らないDTPデザイナーが結構いたので書いておきます。
WEBサイト内でもCSSを利用すれば、イラレで言うところの「トラッキング」や「文字詰め」を表現する事ができます。
文字間は文章の読みやすさに直結する要素なので、WEBページを制作する際に、特に気になる部分ですね。
CSSでトラッキング
トラッキングは、テキストまたはテキストブロック全体の文字間を調整する処理で、基本的に全ての文字間で同じ数値が反映されます。
例えばこんな文章があったとします。
Hello! World.
この文章にトラッキングをかけると
Hello! World.
こんな感じに字間が広がります。
letter-spacing でトラッキング
CSSの letter-spacing プロパティを使ってトラッキングを調節します。
イラレのトラッキングと同じで、0より大きい数値で字間が開き、0よりも小さい数値で字間が狭まります。
1 2 3 | <p class="sample"> CSSでトラッキングをする。 </p> |
1 2 3 | p.sample{ letter-spacing: 1.5em; } |
CSSでトラッキングをする。
letter-spacing プロパティの単位は「px」「em」のどちらかを選択します。
それぞれ見た目が大きく変わるので、注意が必要です。
- 1.5em →字間を1.5文字分
- 1.5px → 字間を1.5ピクセル
部分的にトラッキングをかける方法
<span> タグで任意の箇所を囲う事で、部分的にトラッキングを調節する事も可能です。
1 2 3 | <p class="sample"> <span class="point"> CSS </span>でトラッキングをする。 </p> |
1 2 3 | span.point{ letter-spacing: 1.5em; } |
CSSでトラッキングをする。
<span> タグで囲った「CSS」という文字だけにトラッキングがかかりました。
CSSで文字詰め
トラッキングと併せてイラレでよく使う「文字詰め」について簡単に説明しておきます。
「文字詰め」とは、文字の「カタチ」によってできる文字同士の「スキマ」を調節して、見栄えを整える作業の事です。あまり字間を詰めすぎると読みづらいので、主に見出しやキャッチコピーに対して文字詰めをします。
文字詰めの例
わかりやすい例で言うと、カッコや句読点の周りには空きがありますよね。
CSSでの文字詰めは、「font-feature-settings」です。
この文章をCSSで文字詰めすると
CSSでの文字詰めは、「font-feature-settings」です。
字間が詰まり空きが無くなりましたね。これが文字詰めです。
font-feature-settingsで文字詰めをする
CSSの font-feature-settings プロパティを使って文字詰めをします。
1 2 3 | <p class="sample"> CSSの「font-feature-settings」で、文字詰めします。 </p> |
1 2 3 | p.sample{ font-feature-settings: "palt"; } |
CSSの「font-feature-settings」で、文字詰めします。
文字詰めされてカッコの前後にあった余白が無くなりました。文字間のゆとりが無くなると、長い文章は読みづらくなります。特に理由がない限り font-feature-settings プロパティを本文中で使用するのはオススメしません。
まとめ
紙媒体のデザイナーさんって文字間にこだわる人多いですよね。
DTPデザイナーにとって、トラッキングや文字詰めは、彼女よりも身近な存在…。ウソです。言い過ぎました。
WEBと紙媒体の間に壁はあると思いますが「WEBでもトラッキングや文字詰めができる」と知れば、その壁も少しは低くなるのではないでしょうか。
「WEBと紙媒体は根本からして違う」と言いつつも、共通する部分もあったりするので、デザイナーは双方の特性を知り、使い分けるスキルが必要になりますね。
HTMLとCSSでトラッキング・文字詰めする方法でした。
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