「デザイナーになりたいんだけどセンスがね…」と諦めるのは勿体無い!誰でもできるデザインの勉強法を紹介します。
誰しも「デザイナーは特殊な能力を使ってデザインしている。」と思っているのではないでしょうか。確かにそういったデザイナーもいると思いますが、世の中で活躍しているデザイナーの多くは、特殊な能力に頼っているのではなく、理論的に考え、計画的に作業を進める事で明確な目的を持って「デザイン」をしています。
特殊な能力やセンスに頼らなくてもデザインができるという事は、特殊な能力やセンスを持っていない人、つまり誰でもデザインができるという事です。
目次
デザインを学ぶ前に知っておくべき3つのポイント
デザイン未経験者がデザインの勉強をするにあたって、押さえておくべきポイントが2つあります。
- センスとは蓄積された知識の最適化
- デザインとは明確な説明ができる課題解決手段
上記のポイントを読むと、これまで謎で覆われていた「センス」や「デザイン」という言葉のベールが剥がれた気がしませんか?
「センス」や「アイデア」は才能ではなく、日々の経験や蓄積の中からアウトプットされ、それらを理論的な解釈で最適化・表現したものが「デザイン」と呼ばれ、それは誰にでも扱えるモノだと思っています。
身の回りにあるモノを観察する事から始める
「売れるチラシを作るには、買いたくなるチラシを見ることが大切」と若い頃に教えられました。作った本人がユーザー目線に立って「買いたい」と思えるチラシでなければ、そのチラシを見て「買いたい」と思う人がいるわけないですよね。
デザイナーは、常にユーザー目線に立ってデザインをしています。つまり、自分の身の回のあらゆるモノは、使う人の立場に立って作られているという事です。これは逆に考えると、身の回りにあるモノがどういった理由でそのデザインになっているのかを知れば、デザイナーの考え方に近づけるという事になります。
デザインの勉強をしたいのであれば、まず自分の身の回りにある色々なモノを観察し、色々な角度から考察してみてください。アプリケーションの操作を覚えるよりも何倍もデザインの勉強になりますよ。
日常生活でデザインについて勉強する方法
上記で述べたように、日常生活の中でデザインについて学ぶ事はとても多いので、書籍やネットで調べるよりも街を散歩した方がよっぽど良い勉強になる時があります。
例えば、この記事を書いている10月現在は、どこに行ってもハロウィン一色です。フライヤー・ポスター・ディスプレイ・パッケージ、あらゆるモノがハロウィンで埋め尽くされているので、それらを見て回るだけでも多くのインプットができます。
しかし、ただ見て回るだけでは、インプットはできても、アウトプットにつなげる事が難しいので、デザインの勉強というには不十分です。
日々の生活の中で出会った良いデザインについて色々な角度から観察し、なぜそのデザインが良いと思えるのか?なぜ使いやすいと思うのか?また、なぜもう一度使ってみたいと思うのか?という事を何度も考察してみてください。
そうする事でデザインの意図や目的が一つ一つ明確になり、良いデザインとは何か?を知るきっかけになります。良いデザインとは何かを説明する事ができれば、あとはその説明通りにアウトプットすれば良いデザインに近づけることができるはずです。
センスは経験と知識からできている
デザインと並んで「センス」は、特殊能力のようなモノと勘違いされがちですが、全くそんな事はなく、日々の生活の中で得た経験や知識を蓄積する事で、誰でもデザインのセンスは磨けます。
センスの前に知識を身につける
とりあえずデザインに絞って言うと、センスとは「知識の最適化」と言い換えることができると思います。何かをデザインする時には必ず、色・形・機能性について一定以上の知識が必要になりますが、デザインに自信が無い未経験者の多くは、この「知識」部分のインプットをする前に、成果物としてアウトプットしようとしているのでは無いでしょうか。
デザインする商品やクライアント、デザインする時のルールについて全く知らないと、どれだけ優れた才能の持ち主でも、要望通りのデザインを作る事は出来ないはずです。
なので、デザイナーになりたいと思う人はセンス云々と言う前に、まずは自分がデザインしたいと思う対象について、デザインをするにあたってのセオリー的なことについての「知識」を増やすことをオススメします。
オススメの書籍
「知識」をつけるとなると、やはり書籍での勉強が基本になると思いますので、独学の人にもオススメできるデザイン関係の書籍を紹介します。
デザインの「4つの基本原則」。これを知るだけでデザインはずっとぐっと良くなります。
プロではなくても、読みやすいデザイン、伝わるプレゼン資料、わかりやすいレイアウトを作りたい。そんな人のためのデザインの 基本書です。
18年ずっと売れ続けているロングセラーだけあって、とてもわかりやすい内容となっています。
オススメの書籍
デザイナーが読んでも「なるほど」と思える内容と、イラストをふんだんに使ったわかりやすいデザインが特徴です。
本や雑誌、ポスター、看板、チラシなど、日常には「デザイン」されたビジュアルが溢れています。そうしたデザインを実際に行う時にデザイナーがどんなことを気にかけ、どんな基準で良し悪しを判断しているのか。それを視覚的に、具体的にわかりやすく説明している書籍です。デザイナーが見ても「なるほど」と思う内容となっています。
センスとは蓄積された知識の最適化
「センスとは蓄積された知識の最適化」と先に述べましたが「知識の最適化」とは何でしょうか。
デザインする時には必ず、ターゲットの好みや要望・行動を考えます。そうしたターゲットの好みや要望などに合わせて、自分の持っている経験や知識をデザインとして落とし込みます。これが「知識の最適化」です。
シンプルにすると「ユーザーに合わせてデザインするという事」ですね。センスが良いデザイナーというのは、どんなユーザーの要望に対しても、最適な答えを提案できる人のことを言うのだと思います。
「一般的」と呼ばれる感覚を知る
それでは、デザインのセンスを磨く勉強法について説明していきます。
人間は「比較」が好きな生き物です。「良い・悪い」「安い・高い」「早い・遅い」といったように、何かと何かを比較することで物事に評価を下します。しかし、比べたいモノに比較対象が無い場合は、どうやって評価を下すでしょうか。おそらく記憶や想像の中で基準値を作って「良い・悪い」の評価をすると思います。
クライアントの要望をデザインにアウトプットする時がまさにこの状態で、明確な比較対象を基準にしない場合は、一般的なニーズに合わせた基準値を作って、そこから「高級感」か?「カジュアル」か?といったようにデザインの方向性を模索します。
もしこの時に、自分の中で「高級感」が基準値であった場合に、クライアントから「高級ぽくして欲しい」と要望をもらったらどうなるでしょう。多分、必要以上に「高級感」が主張されたデザインに仕上がってしまい、クライアントの要望と齟齬が起きてしまいますよね。
クライアントの要望に応えるためには「一般的」なデザインを知り、そこから両端に振ったデザインを考えることで、あらゆるユーザーの要望に対応できるセンスを養う事が可能になります。
オススメの書籍
「一般的」なデザインを学ぶ事は意外に難しい事です。いつも広い視点で物事を見ながら、偏らない考え方をしなければいけません。ただ「一般的」なデザインを知り、狙って作れるようになれば、本当の意味で「センス」と呼べると思います。
センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積することで向上する!
顧客の嗜好が多様化する時代、スキルよりもセンスを磨くことで、仕事を成功させるノウハウを紹介しています。
デザイナーにもそうでない人にもオススメの一冊です!
デザインは誰でも勉強できる
これまで説明してきた通り、デザインもセンスも日常生活の中で勉強する事が可能です。デザインは、特別な人達だけが持つ特殊能力ではありません。絵が上手とかアプリケーションが使えるという事が重要なのではなく、どれだけクライアントの視点に近づき、クライアントの立場に立てるか?自分の持つ知識や経験をどれだけクライアントに合わせて最適化できるか?という事が大切なのです。
これからデザインの勉強をしたいと思っている方々は、まずはたくさんの知識を身につける事から初めてください。ジャンルを問わずデザインに関する事なら何でも吸収するつもりでインプットしてください。そしてその中から良いと思うデザインを言葉で説明し、一般的と思えるデザインを見分けれるようになれば、それはデザイナーのセンスを持っているという事です。
デザイナーになりたい人に必ず役立つ!誰でもできるデザインの勉強法でした。