いよいよ火星での暮らしを想定して、デザインを考えなければいけない時代になったようです。
日本ヒューレットパッカード(以下:HP)が、「HP Mars Home Planet」の一環として、国内の学生向けに火星でのインフラデザインを募集するプロジェクトを開始しました。
「HP Mars Home Planet」とは
「HP Mars Home Planet」は、100万人の人類が火星で暮らすことを想定して、人類がどのように生活するか、建築、工業、農業、衣食住などに対して世界中からアイデアを募集し、探っていくことを目的としているそうです。
3部構成で1年間かけて行うそうで、第1部は火星でのインフラがテーマで、第2部は3Dモデリングを行い、第3部ではVRデータを作成するそうです。優れたアイデアは、VRシュミレーションゲーム「Mars 2030」の一部に登場するそうで、火星に関する科学的な知識や最新のVR技術の双方を学ぶことができる、科学や宇宙に興味がある学生にとって魅力的なプロジェクトです。
火星での生活をデザインする難しさ
VRとは言え、全く未知の火星での生活をシュミレートするので「インフラをデザインする」と聞いても全く想像がつきません。地質・気温・気圧・重量・風力といった科学的な知識が無いと、人々の生活をデザインすることは不可能だと思うので、学生さんにはかなり難しいプロジェクトなのでは無いでしょうか。ひょっとして最近の学生にとって、火星の環境は当たり前の知識だったりして…。
引用:映画『オデッセイ』より
自分が日々関わっている案件では、「想像力」よりも「経験や裏付け」が割合的に多く含まれている気がするので、未知の火星での生活を想像してデザインするということが、難しく感じるのかもしれません。どういった段階でフィニッシュまで持っていくのかとても興味があります。
火星でもデザインは役に立つと思われる
デザインは問題解決の手段とよく言われるので、問題だらけと思われる火星の生活にもきっとデザインは役に立つと思います。
気温を一定に保ったり、酸素を逃がさないための工夫など生活に役立つ全てのモノを一からデザインするわけですから、ビジネス的にも大きな役割を果たせそうですね。
引用:映画『オデッセイ』より
映画オデッセイでは食料事情の問題を解決する為にマット・デイモンが頑張っていました。あの映画のシチュエーションは特殊だとしても、地球から物資を運び続ける事は不可能だと思うので、リサイクル肥料は現実味があると思いました。その場合もリサイクルの工程や設備、肥料のパッケージや物流サイクルの全てに環境問題が影響するでしょうから、問題解決型のデザイン思考がきっと役に立つはずです。
まとめ
VR技術は急速に進歩しているので、10年後ぐらいには火星だけでなく太陽系の惑星全てがシュミレートできているかもしれませんし、何らかのきっかけで技術が飛躍的に進歩して、宇宙に自由に行ける時代になっている可能性もあります。想像するだけでワクワクしてくる話です。
しかし、そういったことを考えると、我々のような印刷会社やデザイン会社も「火星での暮らしを想定したデザイン」を考える準備をしておく必要があるかもしれませんね。
火星生活で必要なインフラデザインを募集中【HP Mars Home Planet】でした。