MUD教育検定3級の講義と試験内容は「色覚」と「文字組版」に分かれています。
メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)教育検定3級の講義と試験は「色覚」にウエイトが置かれいてると感じましたが、「文字組版」もデザイナーでないけども、ブログを書いたりプレゼン資料を作る機会が多い人にとって為になりそうな内容を含んでいました。
今回はメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)教育検定の「文字組版」の内容で、ノンデザイナーも知っておきたいポイントをピックアップしていきます。
目次
日本で最も多い情報メディア
文字は日本で最も多い情報メディアなので、メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)でも文字を最も重要視しているようです。その割には「色覚」の講義が長かった気がしますけどね…(笑)
どうして文字組み?と最初は思いましたが「文字組版のルールや扱いを学ぶ事で、多くの人が目にする事になる文字・文章の可読性に配慮しましょう。」という内容だったので納得しました。
知っておきたい文字組版
デザイナーは知っていて当然の「文字組版」ですが、デザイナーでなくても文字を扱う機会は多いと思いますので、ノンデザイナーでも知っておきたい「文字組版」の知識について簡単にまとめました。
ボディーサイズとレターサイズ
全ての文字には「ボディーサイズ」と「レターサイズ」という概念があります。
書体によって文字の大きさが変わるのは「レターサイズ」に違いがあるからです。
ボディーサイズ | 数値上の文字サイズ(文字サイズ) |
---|---|
レターサイズ | 実際の文字サイズ(字面(じづら)サイズ) |
文字サイズについて
文字サイズを指定する単位は何種類かありますが、主に「絶対値」と「相対値」に分けることができます。
絶対値(ポイント・級)
絶対値による文字サイズは、ポイント(pt)・級(Q)が主に用いられます。印刷業界でよく使用されている単位で、具体的な数値でサイズを指定するので「絶対値」と呼びます。
相対値(em)
相対値には、em(エム)という単位が使われます。1emを基準値として数値を調整します。例えば、0.5em だと半分の大きさで、2em だと2倍の大きさといった感じです。基準の文字からの相対的な大きさを数値で指定するので「相対値」と呼びます。
絶対値 | 具体的な数値を指定 ポイント(pt)・級(Q) |
---|---|
相対値 | 相対的な数値を指定 em(エム) |
行送りと行間
紙媒体・WEBを問わず、行間も数値で指定しますが、「行送り」と「行間」のどちらで指定するかによって数値が変わります。
行送り | 文字のボディーのセンターからボディーのセンターの間 |
---|---|
行間 | 文字ボディーと一行下の文字ボディーの間 |
字送りと字間
行送りと行間のように、字送りと字間も指定する数値が変わります。
字送り | 文字のボディーのセンターからボディーのセンターの間 |
---|---|
字間 | 文字ボディーと隣合う文字ボディーの間 |
知っておきたいUDフォント
文字サイズが小さくなったり文字間が狭くなると、フォントによっては判別がしづらい時があります。アルファベットの「C と G」、数字の「6 と 8」等がその代表ですが、そういった誤認識や、文字の視認性を意識して作られたのが「UDフォント(ユニバーサルフォント)」と呼ばれる書体です。
詳しくは UD書体-モリサワのフォント
和文の特徴
UDフォントは字面(レターサイズ)を大きくすることで、他の書体と同じ文字サイズでも大きく見せることができます。
滲みによる誤認防止のために、全体的にシンプルなつくりにしています。
欧文の特徴
欧文も誤認防止に配慮されており、従来のフォントとは大きく形が変わる文字が多い印象を受けます。
数年前に旅行会社のパンフレットを制作した際に「料金表とカレンダーはUDフォントで統一する」というルールを設けて、関係各社で共有したことがありました。旅行パンフのような文字サイズが小さく、情報量が多い印刷物にはUDフォントが向いているという事ですね。
UDフォントのデメリット
UDフォントは、字面が大きいので視認性が上がっているのですが、逆に字面が大きい事で文字間が狭く感じ、可読性が落ちる可能性があります。UDフォントは全ての場面で使えるフォントでは無く、表現する目的によって従来のフォントと使い分ける必要があるという事です。
文字大全―雑誌・書籍・広告・パッケージ (新デザインガイド)
デザイナーが意識すべき文字デザインの本質を、丁寧に解説しています。「雑誌・書籍・広告・パッケージ」とある通り、それぞれの分野かにスポットを当て紹介されています。かなり以前に出版された書籍ですが、一読の価値はあると思います。
まとめ
メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)の柱として「色覚」と「文字組版」の2種類があり、どちらが欠けてもメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)は成り立ちません。「情報の伝達」という意味では、色も文字も重要な要素という事ですね。
「文字組版編」はほとんど既知の内容でしたが、「情報の伝達」という視点で見ると、文字を扱う全ての人に当てはまる内容だと思いますので、ノンデザイナーの方もメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)教育検定 3級を受験してみる事をオススメします。
ノンデザイナーも勉強になる!MUD教育検定3級【文字組版】でした。