岐阜県のオシャレな図書館「岐阜メディアコスモス」に行ってきました。
岐阜市の観光名所である金華山の近くに建つ「岐阜メディアコスモス」は、最大所蔵可能数90万冊、座席数910席の「市立中央図書館」をはじめとした、岐阜市民が気軽に集える複合施設です。
デザイナーとしてはもちろん、観光目的だとしても見ごたえがある施設なので紹介したいと思います。
岐阜駅から徒歩約30分
私は名古屋に住んでいる為、JRを使って岐阜駅まで行き、そこから徒歩で岐阜メディアコスモスに向かいました。
徒歩で岐阜メディアコスモスに行く場合は、JR岐阜駅の北口を出て目の前に見える大通りを、ひたすら北上すれば右手にそれらしい建物が見えてきます。
ちなみに、JR岐阜駅から岐阜メディアコスモスまでは距離にして2.3kmほどあり、徒歩で行くと約30分かかります。普段歩き慣れていない方には結構キツイ距離なのでバスの利用をオススメします。
外観がいきなりオシャレ
岐阜メディアコスモスに着いて目にした外観が、いきなりオシャレで驚きました。
これが図書館!?と思わず声に出そうなデザインです。
それもそのはずで、多摩美術大学図書館や台中国家歌劇院などを手がけた伊東豊雄さんという著名な設計士が設計しています。
多摩美術大学図書館のデザインも面白いとは聞いていたので、なるほどという感じです。
内部もやはりオシャレ
外観もオシャレですが、館内もやっぱりオシャレ。
一階がローソンとスターバックスコーヒー・市民活動交流センターなどの市営施設があり、二階がフロア全面図書館となっています。
さすがに、図書館の本をスタバで読むというような荒技はできません。
館内の案内図も立体的な面白いデザインでした。
とりあえず一回りして気がついたのですが、スタッフしか入れない事務所内がガラス張りであったり、一階にある受付スタッフさんの作業風景・現場が丸見えだったりと「壁」を感じさせない造りになっていました。
市営の建物でこういった造りを見た事が無かったので、とても印象に残りました。
きっと市民の皆さんとの壁を無くすというコンセプトがあるんでしょうね。
座っているだけで落ち着ける図書館
二階の図書館に上がると真っ先に目に入ってくるのが、市立中央図書館のシンボルでもある「グローブ」と呼ばれる造形物。
館内にいくつもあるグローブが、太陽光を柔らかく拡散させつつ透過させ、館内全体を温かみのある空間にしています。
このグローブは、デザイン的・機能的な役割があると同時に、口コミの役割も果たしているというところが何より秀逸だと思います。
わざわざ県外から、グローブ見たさに訪れる人もいるらしい事を考えると、デザインのチカラって凄いなと感心します。私も同じ理由で岐阜まで行っているわけですからねぇ。
温かみのある空間のおかげで、大人も子供もゆったり読書を楽しむ事ができます。
座っているだけで落ち着ける場所だったので、2時間ぐらホゲ〜っとしました(笑)
しかし、広告ばかり作っていると、購買行動につなげる事がデザインの目的と思いがちですが、こうした人の動きや環境を作ることもデザインが担う役割なんだなと、今更ながら実感する事ができました。
中高生への気配りがされている
中高生専用の席が用意されていたり、おしゃべり用の談話室があったり、中高生向けの書籍には「YA」とラベルが貼ってあったりと、かなりの配慮がされています。
「YA」はヤング・アダルトの略だそうです。
やはり、こういった環境の中で勉強をするとモチベーションも上がるのでしょうね。
真剣に勉強している学生さんが多かったです。
全体的に低めに作られている本棚も、身長が低めな中高生には使いやすいのではないでしょうか。下段の書籍が取りづらいというデメリットはありますが、こういったちょっとした配慮は、中高生だけでなくお年寄りにも喜ばれると思います。
児童向け書籍がある本棚は、さらに低くなっていました。キチンと考えられています。
まとめ
イギリスの詩人トライデンが「はじめは人が習慣を作り、それから習慣が人を作る」という言葉を残していますが、岐阜メディアコスモスはデザインによってその言葉が実現されている場所なのではないでしょうか。
岐阜市をはじめ、建築家・デザイナーが市民のための環境をデザインし、その環境が市民の生活を活性化させ、人間性・社会性を促進する。というデザインが起点となったサイクルがうまく形成されていると思いました。
チラシばかり見ている私でも、見るところ満載だったので、デザイナーやデザイナーを目指す方は、是非一度「岐阜メディアコスモス」へ足を運んでみて欲しいです。
「デザイナーなら一度は行きたいオシャレな図書館 岐阜メディアコスモス」でした。